田舎暮らし・闘病中のただの女性ライターが「1000万円稼げるフリーランス」を目指すようになるまで

白い壁のオフィスに憧れていた
日本家屋で生まれ育った私は木や漆喰、土壁、畳など様々な色に囲まれていた。それを不思議だとか、嫌だとか、思ったことはない。小学校や中学校でできた友人が、フローリングの床や、洋風のオシャレな家具に囲まれて暮らしているのを、なんだかうらやましいと思うことがあっても、それは一時の感情だったように思う。
フリーライターとして、自宅の片隅で仕事を始めた時には、「事務所を借りる」ということを想定してはいなかった。私自身の肉体的な理由もあったし、介護の必要な身内がいたことも理由だ。
時代は変わり、SOHOという言葉が定着した。雑誌やインターネットで明るくて爽やかなオフィスの写真を目にするようにもなる。それは著名人のオフィスであったり、UR賃貸のSOHO住宅の内装を紹介した写真であったり、あるいは画像素材として提供されている、外国人がモデルとなっている写真など様々なもの。
その中で私がとても強く憧れたのは、白い内装の部屋だった。 「白」の持つ爽やかさ、明るさが、日本家屋で育った私には目新しかったのかもしれない。 あるいは、そういったオフィスで仕事をしている、写真の中の人物が魅力的に見えたのかもしれない。 なんとなく「こんな部屋で仕事をしたいなぁ」と思うようになった。
ただ漠然とそう思うだけで、具体的な計画を立てたわけではない。 介護に疲れた時や、仕事を終えて一段落したときの、現実逃避のための空想を楽しんでいただけだ。