田舎暮らし・闘病中のただの女性ライターが「1000万円稼げるフリーランス」を目指すようになるまで

流浪の民と化した季節
実家近くで、住宅工事(新築、リフォームなど)が続いた時期があった。消費税増税前の駆け込み需要もあって、建設業界は大変な人手不足だったそうだ。そのせいか、工事に長い時間がかかっているように見えた。
このような工事は、騒音や振動を伴うものだけれど、いつこちらが迷惑をかける立場に回るかもしれない。だからこそ、「お互い様」として割り切っていくのがいいと思う。
その時は仕事の忙しさと、私自身の不摂生もあって、私の体力が落ちていたようだ。喘息の発作が起こりやすくなり、アトピー性皮膚炎がひどく悪化したのは応えた。工事の音が大きかったので、電話で会話がしづらくなったり、無線LANの接続状態が悪くなったりということも起こった。
2013年9月頃からは、パソコンを持って都市部に出向き、カフェで仕事をすることも増えた。家で仕事をするのとは違う緊張感があり、意外に集中することもできた。
しかし、1か所のカフェにあまり長時間、居続けるのも迷惑だというのは、理解していた。長くても2時間ほどで他店に異動しなければならないし、移動先のカフェに必ず空席があるとは限らない。機密保持のことを考えると、手洗いに立つのにも気を使う。
そのような生活を2か月ほど続けるうち、 「思い切ってシェアオフィスを借りようか?」 と考えるようになった。
私は放送大学の学生として学んでいる。大阪学習センターに用があって出向いた際、途中でシェアオフィスの看板を見つけたことが、そう考えるきっかけとなった。
ライターという仕事のために、そう大きなスペースは必要ない。贅沢をいわなければ、賃貸料もそう多額には上らないだろうと思ったのだ。
フリーライターという仕事の自由さ、身軽さを楽しんでいたはずの自分。それでも、自由過ぎ・身軽過ぎな状況が続くうちに、落ち着きを求めるようになっていたのが、今思えばなんだかおかしい。